著者
古沢 源久 橘 正樹 林 裕二
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.229-235, 1982-05-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
5
被引用文献数
11 10

アントラセン,カルバゾール,ペリレン,ナフタセン,ジベンゾフラン,アセナフテン,フルオレン,ナフタレン,フェナントレン,ピレン,フルオランテン,クリセン及びビフェニルの13種類の蛍光性多環芳香族化合物のシンクロ蛍光法による定量法について検討した.この結果,3nmから7nmの狭い波長間隔で測定しても比較的強いシンクロ蛍光強度を示し,シンクロ蛍光法の特性を生かした分析を実施しうる物質は,アントラセン,カルバゾール,ペリレン,ナフタセン,ジベンゾフラン,アセナフテン及びフルオレンであった.これらの物質を定量する際の最適波長間隔,分析精度,共存物質が比較的多量に含まれている場合の影響,同時定量の可能性など,定量に必要な諸条件について検討した.これらの結果をフェナントレン中の不純物の分析に応用したところ,少量のカルバゾールとアントラセンを容易に同時定量しうることが認められた.