著者
櫻井 啓志 宮本 貴朗 青木 茂樹 岩田 基 汐崎 陽
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.442, pp.213-220, 2011-02-24

近年,通常のキーボード操作による非定型文を対象としたキーストロークの特徴を利用したユーザ認証に関する研究が行われている.本稿では,複数のキーストロークの特徴から得られる指標を組み合わせてユーザを認証する手法を提案する.まず,予め登録しておいた複数のユーザのテンプレートを用いて,各指標のパラメータをユーザごとに適切な値に設定する.次に,設定したパラメータを用いて,ニューラルネットワークの結合重み係数をユーザごとに学習させる.そして,ログイン後に文字を入力することに,テンプレートとの類似度を各指標からそれぞれ算出し,これらの値をニューラルネットワークに入力し,ユーザを認証する.提案手法を用いて実験を行った結果,他人受入率が0.17%,本人拒否率が2.38%となり,従来手法と比較して高い認証精度が得られた.