著者
櫻木 大志 鈴木 昌子 大野 浩之
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.206-209, 2020-10-25 (Released:2020-10-30)
参考文献数
1
被引用文献数
1

各種ミネラルウォーター類における全有機炭素(TOC)の測定法を確立し,妥当性が確認できた.ミネラルウォーター類には,炭酸含有の有無,硬度の高低などさまざまな製品がある.炭酸を含有しないミネラルウォーターは硬度の高低にかかわらず,水道水と同様の測定条件で妥当性が確認された.しかし,炭酸を含有し硬度が中硬度,高硬度の2種類のミネラルウォーターは正確な測定ができなかった.そこで,試料から炭酸を効率的に除去する条件を検討した.測定条件の通気時間を長くし,塩酸の添加率を上昇させることで,無機炭素の影響を抑えることによりこの2種類のミネラルウォーターでも測定結果が安定して,妥当性が確認できた.これらの結果により,本法はさまざまな種類の市販ミネラルウォーター中のTOCを正確に測定できる有用な方法であると考える.