著者
行岡 正雄 七川 歓次 行岡 千佳子 小松原 良雄 島岡 康則 正富 隆
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.32-36, 2010-03-30 (Released:2016-02-26)
参考文献数
13

目的:関節リウマチ(RA)の尿中カテコールアミンを測定し,自律神経と気圧の変動との関連性を調査した. 対象・方法:入院RA患者9例(男2例,女7例調査時平均年齢67.67±9.87)を対象とし低気圧(990~1000hPa)中間(1001~1010hPa)高気圧(1011~1020hPa)時の尿中アドレナリン(AD),ノルアドレナリン(ND),ドーパミン(DP),バニリルマンデル酸(VMA)を調査した.尿中AD,NAD,DP,VMAの測定方法はHCLP(2―シアノアセトアミド誘導体化)法で行い,午前1時より翌日午前1時までの間に畜尿した尿を24時間尿としてSRL®にて計測した.気圧は気象庁がホームページで公表している調査当日の大阪市の気圧を用いた. 結果:尿中AD,NAD,VMAのいずれもが低気圧に比較して高気圧において尿中濃度が上昇していた.そのうちADで低気圧6.55±5.66μg/l と高気圧10.67±5.88μg/lとの間で統計学的有意差(p=0.0469)を認めた.またNADでは低気圧133.9±83.09μg/lと高気圧198.38±93.67μg/l(p=0.0265)及び中間気圧151.57±80.88μg/lと高気圧198.38±93.67μg/l との間で有意差(p=0.039)を認めた. 結論:RAでは気圧の変動と伴に自律神経が変動している.すなわち,RAでは低気圧では副交感神経優位,高気圧では交感神経優位の状態となっていることが示唆された.