- 著者
-
正木 喜勝
- 出版者
- 大阪大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2008
本研究では、1925年から1930年まで東京で活動した劇団「心座」の実態を、「上演」という側面から考察した。具体的には、村山知義や舟橋聖一の上演作品の再構築を実証的に行い、彼らと歌舞伎俳優が近代劇という場で接触することで、いかなる問題があらわれたのかということを考察した。同時に、当該の上演が依拠する創作理念の複合性についても明らかにした。長らく等閑に付されてきた心座をこうした文脈において「再発見」したことは、これまでの近代日本演劇研究に新しい視座をもたらすものといえる。