- 著者
-
武富 由美子
田渕 康子
熊谷 有記
坂本 麻衣子
牧原 りつ子
- 出版者
- 日本緩和医療学会
- 雑誌
- Palliative Care Research (ISSN:18805302)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.2, pp.139-145, 2018 (Released:2018-04-18)
- 参考文献数
- 35
【目的】一般病棟のがん患者遺族の心的外傷後成長(posttraumatic growth: PTG)の特徴と関連要因を明らかにする.【方法】同意を得た死別後1~4年の遺族42名に,郵送で無記名の自己記入式質問紙調査を行った.【結果】37名(有効回答率97%)に回答を得た.PTGI総得点項目平均値は2.63で,先行研究の一般病院や緩和ケア病棟のがん患者遺族と同程度であった.そして,PTGI総得点は情動焦点型コーピング,認識評価的サポート,情緒的サポートと正の相関を示した.また,自宅療養した遺族のPTGI総得点は,しなかった遺族より有意に高かった.【結論】遺族が悲嘆感情を上手く切り替えることができるか,ソーシャルサポートを受けられるか,またそのネットワークがあるかをアセスメントし,支援提供の場について情報提供をしていく必要がある.また,患者が自宅療養できる支援体制の整備も必要である.