著者
阿部 将貴 坂本 麻衣子
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.37(2023年度 環境情報科学研究発表大会)
巻号頁・発行日
pp.104-109, 2023-12-08 (Released:2023-12-08)
参考文献数
11

有害鳥獣が生態系,農林水産業及び生活環境に深刻な被害を及ぼすことから,加害鳥獣の捕獲行為を通じて公益を担う狩猟者の役割は高まっており,狩猟者に対する有益な情報提供が必要とされる。しかし,過去の捕獲情報を基にした捕獲地予測に関する研究は国内においてはいまだ数少ない。そこで,本研究では島根県の2010 年から2018 年のシカ捕獲記録を用い,より高い空間分解能と機械学習手法を取り入れ,捕獲確率を予測した。その結果,250m メッシュでの予測にCatBoost を適用することで,国内の標準的な種分布の予測モデル(1000m メッシュでのMaxent の適用)よりも,高精度かつ高分解能の捕獲地予測が可能となった。
著者
町島 希美絵 坂本 麻衣子 大島 千佳 北島 かおり 東内 順子 木場 勉 郷原 るみ 佐藤 鮎美 中山 功一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.678-691, 2017-12-15

目的:「健康マージャン教室」に参加した健常な高齢者を対象に,健康マージャン教室が認知機能に与える効果を明らかにする。 対象と方法:対象者は89名(平均年齢72.0歳,標準偏差6.5歳)で,教室に週1回,合計20回参加した。教室開始時(Pre)と終了時(Post)でMini Mental State Examination(MMSE),Frontal Assessment Battery at Bedside(FAB),Trail Making Test(TMT)Part A and Part BとGeriatric Depression Scale(GDS)短縮版を測定した。Pre-MMSEの合計点を基準に比較的低い群(MMSE26点以下:A群)と高い群(MMSE27点以上:B群)に分けた。Pre-Post比較ではWilcoxonの符号付き順位検定を行ない,群間比較では,群間に有意差のあった年齢と教育年数を調整する目的で多変量共分散分析を行なった。教室終了時には,日常生活における変化を質問紙で調査した。 結果:Pre-Post比較では,特にA群でMMSEの「計算(p<0.01)」と「合計点(p<0.05)」,TMT-A(p<0.05),GDS(p<0.05)で有意差がみられた。質問紙への回答では,「生活の充実感」「チャレンジ意欲」等の各項目において有意差があり,さらに友人や地域交流への意欲がみられた。 結論:検査結果から,健康マージャン教室による認知機能の活性化が示唆された。さらに,新たな人間関係の形成や日常生活での活動意欲にも影響を与えたと考えられた。
著者
小田 康友 福森 則男 坂本 麻衣子
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.2019-021, 2019 (Released:2019-09-27)
参考文献数
11

佐賀大学ではアクティブ・ラーニングを中心とした教育改善に取り組んできた.2001年にハワイ大学と提携してPBL(Problem-based Learning:問題基盤型学習)を導入し,2008年にはPBLを半減させてDuke-NUS(Singapore)大学方式のTBL(Team-based Learning:チーム基盤型学習)を併用し,さらに2016年にはTBLを廃止してCBL(Case-based Lecture:症例基盤型講義)とPBLの併用へと転換した.それは,受動的学修から能動的学修への転換の壁,学生の網羅的な知識基盤の構築と問題解決能力養成のバランス,運営コストに対する学習効率の問題に対処するための取組であった.本論ではこれらの経緯を総括し,医学教育におけるアクティブ・ラーニングの課題と展望を述べる.
著者
武富 由美子 田渕 康子 熊谷 有記 坂本 麻衣子 牧原 りつ子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.139-145, 2018 (Released:2018-04-18)
参考文献数
35

【目的】一般病棟のがん患者遺族の心的外傷後成長(posttraumatic growth: PTG)の特徴と関連要因を明らかにする.【方法】同意を得た死別後1~4年の遺族42名に,郵送で無記名の自己記入式質問紙調査を行った.【結果】37名(有効回答率97%)に回答を得た.PTGI総得点項目平均値は2.63で,先行研究の一般病院や緩和ケア病棟のがん患者遺族と同程度であった.そして,PTGI総得点は情動焦点型コーピング,認識評価的サポート,情緒的サポートと正の相関を示した.また,自宅療養した遺族のPTGI総得点は,しなかった遺族より有意に高かった.【結論】遺族が悲嘆感情を上手く切り替えることができるか,ソーシャルサポートを受けられるか,またそのネットワークがあるかをアセスメントし,支援提供の場について情報提供をしていく必要がある.また,患者が自宅療養できる支援体制の整備も必要である.