著者
竹中 裕昭 藤原 靖士 朝倉 健太郎 武田 以知郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.109-113, 2012 (Released:2012-10-05)
参考文献数
10

要 旨目的 : 関西の家庭医が行っている地域・コミュニティアプローチの具体的内容とゴールを明らかにすること. 方法 : 対象は, 関西家庭医療研究会または奈良県家庭医療研究会 “万葉衆” の会員. フォーカスグループディスカッションを行い, 発言を記録した上で分析を重ね, 参加者チェッキングにより真実性の確保に努めた. 結果 : 関西の家庭医の地域・コミュニティアプローチは, 1. 日常診療, 2. 自分の責任エリアの明確化, 3. 医師の地域への参加と住民による医師の品定め, 4. キーパーソンと各人のやる気の評価, 5. 課題への取り組みに対する一歩引いたところからの支援, 6. 成果と達成感の評価という6つのステップから構成されていた. そのゴールについては, 住民の自律性という説と, ゴールなどないという説とに別れた. 結論 : 今まで明示されなかった関西の家庭医特有の地域・コミュニティアプローチが存在した.