著者
大庭 喜八郎 岡田 幸郎 塩田 勇 武藤 淳 岡本 敬三
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.363-371, 1965-10-25

アカマツ、12母樹と8産地およびクロマツ、4産地の種子を施肥量の異なる播種床に直播し、幼苗の生長を調査した。播種床には120×120×18(cm)3の木製枠を用い、底にビニール・シートをしき、放射線育種場構内のアカマツ林地のB層の土壊をつめた。肥料は化成肥料(魯スーパー1号)を使用し、1m2あたり、それぞれ600、300、150および0gを元肥として施肥した。播種約5ヵ月後、幼苗を地際から切りとり、胚軸長、上胚軸長、地上部乾重を測定した。これらの測定値から幼苗単位の平均値を計算し、分散分析をした。母樹別種子のOK・アカマツでは上胚軸長、乾物重について、播種密度、施肥量ともに有意であった。さらに、母樹と施肥量との間に有意な交互作用があった。また産地別種子のProv.アカマツでも上胚軸長、乾物重について、産地と施肥量との間に有意な交互作用があった。しかし、胚軸長については、両アカマツ群とも母樹または産地と施肥量との間の交互作用は有意でなかった。クロマツではいずれの生長形質においても産地と施肥量との交互作用はなかった。これらは直播した幼苗での結果なので、これらの生長反応と樋子重との関係を検討した。胚軸長、上胚軸長および乾物重について、各処理区ごとの繰返し区の平均値と同区内の各子供集団平均値との回帰直線を計算した。この母樹別、産地別の子供集団の回帰係数は各子供集団の肥料反応をしめすものと考えられ、回帰係数が大きいほど肥料に対し鋭敏に反応するとしてよい。そして、回帰係数の信頼限界が互いに重複しない子供集団があった。各子供集団の胚軸長、上胚軸長および乾物重の肥料反応をしめす回帰係数とそれぞれの種子1、000粒重との回帰直線を計算し、回帰係数の検定をしたところ、OK・アカマツの胚軸長および乾物重にのみ種子重が有意にはたらいたことが判り、上胚軸長にみられる母樹、または産地と施肥量間の交互作用には遺伝的な要因が関与しているものと推定される。
著者
大庭 喜八郎 岡田 幸郎 塩田 勇 武藤 淳 岡本 敬三
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.363-371, 1965

アカマツ, 12母樹と8産地およびクロマツ, 4産地の種子を施肥量の異なる播種床に直播し,幼苗の生長を調査した。播種床には 120×120×18(cm)<sup>3</sup>の木製枠を用い,底にビニール・シートをしき,放射線有種場構内のアカマツ林地のB層の土壊をつめた。肥料は化成肥料(〓スーパー1号) を使用し, 1m<sup>2</sup> あたり,それぞれ600, 300, 150 および0gを元肥として施肥した。播種約5ヵ月後,幼苗を地際から切りとり,胚軸長,土胚軸長,地上部乾重を測定した。これらの測定値から幼苗単位の平均値を計算し,分散分析をした。母樹別種子の, OK・アカマツでは上胚軸長,乾物重について,播種密度,施肥量ともに有意であった。さらに,母樹と施肥重との間に有意な交互作用があった。また産地別種子のProv.アカマツでも上胚軸長,乾物重について,産地と施肥量との間に有意な交互作用があった。しかし,胚軸長については,両アカマツ群とも母樹または産地と施肥量との間の交互作用は有意でなかった。クロマツではいずれの生長形質においても産地と施肥量との交互作用はなかった。<br> これらは直播した幼苗での結果なので,これらの生長反応と種子重との関係を検討した。胚軸長,上胚軸長および乾物重について,各処理区ごとの繰返し区の平均値と同区内の各子供集団平均値との回帰直線を計算した。この母樹別,産地別の子供集団の回帰係数は各子供集鋼の肥料反応をしめすものと考えられ,回帰係数が大きいほど肥料に対し鋭敏に反応するとしてよい。そして,回帰係数の信頼限界が互いに重複しない子供集団があった。各子供集団の胚軸長,上胚軸長および乾物重の肥料反応をしめす回帰係数とそれぞれの種子1,000粒重との回帰直線を計算し,回帰係数の検定をしたところ, OK・アカマツの胚軸長および乾物重にのみ種子重が有意にはたらいたことが判り,上胚軸長にみられる母樹,または産地と施肥量間の交互作用には遺伝的な要因が関与しているものと推定される。
著者
武藤淳一 藤井 英史 森島 繁生
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.26(1997-CVIM-110), pp.49-56, 1998-03-19

空間周波数成分を用いて顔表情の認識と再合成を実時間で行うシステムを提案する。画像から自動的にトラッキングされた目・口周辺の正方領域について、高速フーリエ変換を実時間で行い空間周波数成分を求める。次にこの帝域パワーから顔器官の形状、ここではFACSに基づくAUのパラメータ値をニューラルネットワークを用いて推定する。実際にこの推定結果から、顔表情を再合成して原画像との印象を比較した結果、学習には用いていない表情に対しても、原画像と類似した印象を再合成することが可能となった。これにより、瞬きや口の開き、目の開き工合などが忠実にトラッキングすることができる。したがって、マーカー等を顔面に添付することなく、非装着、非接着で表情の印象レベルでのモーションキャプチャを実現することが可能となった。