著者
武藤 桃太郎 武藤 瑞恵 石川 千里 井上 充貴 升田 晃生 高橋 裕之 萩原 正弘 青木 貴徳 橋本 道紀 稲葉 聡 矢吹 英彦
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.49-56, 2014

症例1は85歳, 女性。近医にてCEA9.2ng/mlと高値を指摘され当科紹介となった。CT検査, 超音波検査で虫垂部に嚢胞状腫瘤を認めた。注腸造影検査では盲腸下端に半球状の表面平滑な隆起性病変を認め, 虫垂は造影されなかった。虫垂粘液嚢腫の診断で盲腸部分切除術を施行し, 術後CEAは4.7ng/mlと正常化した。 症例2は74歳, 女性。高血圧, 高脂血症で当科通院中にCEA12.3ng/mlと高値を示し, CT検査, 超音波検査で虫垂部に嚢胞状腫瘤を認めた。注腸造影検査では盲腸に粘膜下腫瘍様隆起を認め, 虫垂は造影されなかった。虫垂粘液嚢腫の診断で盲腸部分切除術を施行し, 術後CEAは1.5ng/mlと正常化した。 いずれも病理検査で虫垂粘液嚢胞腺腫と診断され, 免疫染色ではCEA陽性であった。