著者
志村 洋一郎 殿塚 隆史 坂野 好幸
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
応用糖質科学 (ISSN:13403494)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.393-395, 1998

好熱性放線菌Therrnoactinomyces vulgaris R-47よりクローン化された二つのa-アミラーゼ,TVAIとTVAII,のグルコシルサイクロデキストリン(G1-α-,-β-,-γ-CD)に対する速度論および作用様式の検討を行った.TVAIは,G1-γ-CDに対して,9.0s<SUP>-1</SUP>mM<SUP>-1</SUP>のk<SUB>cat</SUB>/K<SUB>m</SUB>値を示し,Gl-a-,および-β-CDに対するそれよりも100倍以上の値を示した.一方,TVAIIは,3種類のG1-CDに対してほぼ等しいk<SUB>cat</SUB>/K<SUB>m</SUB>値(約0.5s<SUP>-1</SUP>mM<SUP>-1</SUP>)を示した.TVAIとTVAIIの最終G1-CD分解物を,HPLCおよびTLCにおいて確認した.それらは,グルコース,マルトース,パノース,および62-α-グルコシルマルトトリオースと推定された.TVAIとTVAIIのG1-CDに対する作用は,速度論的には異なっているが,その作用様式は類似していた.