著者
尾辻 健太 大原 佳央里 中村 真紀 雨積 涼子 比嘉 千明 嘉数 健二 近藤 康人
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.63-67, 2015 (Released:2015-07-28)
参考文献数
7

食物アレルギー歴のない17歳女性が,すき焼きを摂取後にアナフィラキシーを起こした症例を経験した.皮膚試験で陽性であったエノキタケを入院の上オープン法で経口負荷試験しエノキタケが原因食品であることが確かめられた.これまでエノキタケによるアナフィラキシーの報告はなく,アレルゲンについても報告されていない.今回患者血清を利用しアレルゲンの同定を試みた.市販のエノキタケから抗原を抽出し,患者血清を用いてWestern-blottingを行ったところ,複数のタンパク質バンド(18kDa,39kDa,50kDa)に特異的な反応がみられ,これらがアレルゲンであると考えた.