- 著者
 
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             毛塚 敦
             
             齊藤 真二
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.J105-C, no.5, pp.139-148, 2022-05-01 
 
          
          
          
        
        
        
        航空機のナビゲーションにはGNSSが主に利用されているが,GNSS信号は微弱であり,脆弱性を有する.GNSSに障害が発生した際にも航空機の安全と効率を維持できるように代替測位システム(APNT)を構築することがICAO(国際民間航空機関)での課題となっている.そこで,現在配置・運用されている航空用距離測定装置(DME)を2局用いたDME/DME測位の機能・性能を向上させて短期的なAPNTとすることが検討されており,欧州で標準化が開始された.GNSSのみ航法装置として認められる経路にDME/DME測位を適用するためには新たにインテグリティの保証が必要となるが,山岳地形が多い日本国内では特にマルチパスによる誤差がインテグリティの脅威となる.現在運用中のDME/DMEのインテグリティ保証のためには,飛行検査において発生するマルチパス誤差を抽出し,その原因を特定するとともにインテグリティへのインパクトを評価することが有効である.そこで本論文では,シミュレーションによりマルチパス発生位置を推定する手法を提案し,更にその誤差量のインテグリティへのインパクトを定量的に評価する一連の手法を示す.