著者
水島 宏一 島田 貴也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.194_2, 2018

<p> 本研究の目的は、平行棒の懸垂前振り上がり開脚抜き伸身かつ水平位で懸垂(以下「バブサー」と略す)の運動経過を分析し、その類似技である倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立(以下「チッペルト」と略す)の技術と、異種目である鉄棒の懸垂前振り伸身背面とび越し懸垂(以下「トカチェフ」と略す)の技術の類似点をバイオメカニクス的視点から探り、高難度の技を効果的に習得するための基礎資料を得ることである。</p><p> 被験者は、バブサー、チッペルト、トカチェフの3つの技を実施できる3名と、バブサー、チッペルトは実施できるが、トカチェフを実施できない1名である。各技をビデオカメラで撮影して角度、軌跡、速度を算出した。各技の離手局面までの運動経過を比較したところ、バブサー、チッペルト両者の肩関節及び股関節角度の変化と肩、腰、膝の軌跡は、鉄棒のトカチェフともかなり類似していた。また、肩、腰、膝、足首の速度もトカチェフと類似した変化が見られた。これらのことから、同種目の同系統の技だけでなく、異種目間であっても同系統で類似する技術を有する技であれば、効果的に技を習得するための指標になることが示唆された。</p>