著者
水島 晃 野口 伸 松尾 陽介
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.136-144, 2004-11-01
参考文献数
8

GPSを利用した農業用アプリケーションの開発が国内外で盛んに行われている。本研究では方位センサなどを使用せずGPSのみを使用して方位を計測する手法を考案した。方位角推定には車両のステアリングなどの車両情報も使用できない環境であることを想定した。まず, 直線走行, 曲線走行試験を行いGPSの測位点から直接方位を計算して精度を評価・検討し問題点を明らかにした。その結果, GPSによる方位計測はノイズが大きく, 時間遅れの影響も無視できないことが明らかとなった。そこで, 自己回帰モデル (ARモデル) による方位推定手法を考案し, 方位計測精度の改善を試みた。その結果, 直進走行における方位計測で30%, 曲線走行における方位計測で50%精度を改善することができた。
著者
水島 晃 野口 伸 石井 一暢 寺尾 日出男 行本 修 山本 聡史
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.96-102, 2001-07-01
参考文献数
22
被引用文献数
2

本研究は内界センサによる推測航法を採用することで極力ローコストな自動直進車両の開発を目的としている。航法センサとして地磁気方位センサ (Geomagnetic direction sensor; GDS) とジャイロスコープを使用し, センサを複合化することでセンサ精度, 直進精度の向上を図った。第1報では, ジャイロスコープに比較的精度の高い光ファイバージャイロ (FOG) 方式を採用し, センサ精度の評価と複合化手法を検討するために, 自律走行トラクタによる自動直進走行試験を行い, その性能を評価した。センサの複合化にはカルマンフィルタを適用し, 車両の運動モデルを構築することで車両方位と横方向偏差を推定した。カルマンフィルタによってGDSとFOGを複合化することで, 個々のセンサ単独による推測航法よりも精度の高い自動直進走行システムを開発することができた。