著者
荻野 敏 高橋 桜子 川嵜 良明 水津 百合子 入船 盛弘
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.31-36, 2000-01-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
9

アスピリン喘息 (AIA) を対象に日常の食事などにより発作を増悪させる可能性のある物質 (添加物) について問診により検討した。9名中6名で何らかの物質により症状の悪化、出現を見た。誘発物質は (1) 歯磨き、 (2) たくあん、漬物類、 (3) 缶ジュース類、 (4) カレー、香辛料、 (5) 野菜、果物類の5群に分類でき、それぞれにAIAの誘発に関連の可能性がある防腐剤や色素が含まれていた。また見られた症状は喘息、鼻炎の出現から喉のイガイガ感、異物感、咳などであった。このようにNSAIDs以外にも多くの物質により発作の増悪がみられ、このことがAIAの治療を難しくし、またこれらの指導が治療に重要であると思われた。