著者
水野 聖也 大澤 純 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.101, pp.33-38, 2014-06-14

近年,パーソナライズされた情報推薦の技術が普及しており,それに伴って,嗜好抽出の重要性が高まっている.本稿では,ユーザがスマートデバイスにインストールしているアプリケーションを基に,嗜好抽出を行う手法を提案する.この手法では,マーケット上に記載されているアプリケーションの説明文からキーワードを抽出し,各キーワードを,キーワードの特徴度,アプリケーションの固有度,アプリケーションの1日の平均利用時間に基づいた3つ指標を用いてスコアリングを行うことにより,キーワードとその重要度を表すスコアの形式でユーザの嗜好を表現する.被験者実験の結果,保有アプリケーションが嗜好抽出の情報源として有用であることが確認された.また,結果をもとに各スコアリング指標の特性の検証を行ったところ,保有アプリケーション数が十分多いユーザに対して,アプリケーションの固有度に基づくスコアが有効である傾向が見られた.また,端末の利用時間の長いユーザに対して,アプリケーションの利用時間に基づくスコアの有効性が示唆された.