著者
大澤 純子 杉江 秀夫 福田 冬季子 伊藤 政孝 杉江 陽子 大関 武彦
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.424-425, 2005-09-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
7

Manningらは自閉症児の第2指 (2D) と第4指 (4D) の長さの比 (2D/4D比) が低値であると報告したが, 本邦における報告はまだない. 今回我々の行った検討では, 本邦における自閉症児でも健常児と比べると2D/4D比は低値であった. 2D/4D比が低値となる要因としては, 胎児期に高濃度のtestosteroneに暴露されることと, 遺伝的要因としてアンドロゲン受容体遺伝子との関連が示唆されている. 2D/4D比は他の発達障害である注意欠陥/多動性障害児, 知的障害児では健常児と比べて有意差を認めなかった. 2D/4D比が一部の自閉症の身体所見の特徴のひとつとして利用できる可能性について症例数を増して検討する必要がある.
著者
水野 聖也 大澤 純 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.101, pp.33-38, 2014-06-14

近年,パーソナライズされた情報推薦の技術が普及しており,それに伴って,嗜好抽出の重要性が高まっている.本稿では,ユーザがスマートデバイスにインストールしているアプリケーションを基に,嗜好抽出を行う手法を提案する.この手法では,マーケット上に記載されているアプリケーションの説明文からキーワードを抽出し,各キーワードを,キーワードの特徴度,アプリケーションの固有度,アプリケーションの1日の平均利用時間に基づいた3つ指標を用いてスコアリングを行うことにより,キーワードとその重要度を表すスコアの形式でユーザの嗜好を表現する.被験者実験の結果,保有アプリケーションが嗜好抽出の情報源として有用であることが確認された.また,結果をもとに各スコアリング指標の特性の検証を行ったところ,保有アプリケーション数が十分多いユーザに対して,アプリケーションの固有度に基づくスコアが有効である傾向が見られた.また,端末の利用時間の長いユーザに対して,アプリケーションの利用時間に基づくスコアの有効性が示唆された.
著者
島津 裕子 関村 照吉 大澤 純也
出版者
岩手県工業技術センター
雑誌
岩手県工業技術センター研究報告 = Research bulletin of the Iwate Industrial Research Institute (ISSN:13410776)
巻号頁・発行日
no.11, pp.27-32, 2004-07

ナンブコムギの需要拡大のためには、パンヘの利用も望まれるところである。しかし、ナンブコムギの製パン適性は、グルテンの量や質などで強力粉に及ばないことから、パン加工には一工夫が必要である。そこで、ナンブコムギの特性に応じた製パン法について検討したところ、ミキシングは、低速5分、油脂添加後さらに低速2分程度が良好であった。また、リーンなパンには数%の砂糖や卵を配合することによって、官能評価を良くすることができた。さらに、モルトエキスの使用も食感、風味等を向上させることがわかった。これらの加工法により、ナンブコムギの個性あるパンの開発に取り組んだ。その結果、ナンブコムギの素朴な風味を活かしたパンとしてマフィン、べーグル、クルミパン、メロンパンの4種類を県内加工業者へ提案することができた。
著者
川上 慶士 大澤 純 原 隆浩 Xie Xing
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.714-721, 2016-07-06

スマートフォンの普及によって,ユーザの生活履歴を収集することが容易になってきている.しかし,センサを用いるだけでそれらのログを収集する既存研究では,意味的な情報を含む具体的な状況や,ユーザの主観的な状況に関する情報のような,高度なコンテキスト情報は得られないという欠点がある.そこで,筆者らの研究グループでは,スマートフォンの利用履歴と高度なコンテキスト情報を収集することを目的として,「こんてきすとモンスター」 というアプリケーションを運用している.このアプリケーションでは,ユーザに一定時間ごとに同伴者,活動,調子などの情報を選択形式で直接入力してもらうことで,ユーザの状態を表す,高度なコンテキストに関する情報を収集している.また,ゲーム要素を導入することで,ユーザの負担軽減を図っている.しかしこのゲーム自体は,ユーザの入力内容と独立して動作するため,ユーザが定期的に自身のコンテキストを正しく入力する意欲は大きくない.そこで本研究では,こんてきすとモンスターにユーザのコンテキスト情報をフィードバックするライフログ機能の導入を行い,約 1 年間に渡りユーザの動向を調査しライフログ機能の効果を検証した.その結果から,ライフログ機能を利用するタイミングに一定の傾向があり,ライフログ機能を利用する頻度が高いほど,こんてきすとモンスターを継続して利用する傾向があることが判明した.