著者
田村 和也 永原 美治
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.491-494, 2019-08-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
8

飼育犬において歯周炎の有病率は高く,治療にあたる機会の多い疾患である.歯周基本治療後に深い歯周ポケットが残存する症例では,新付着の獲得を目的に歯周組織再生療法が選択される場合がある.人歯科医療において,2016年9月に新規歯周再生療法医薬品としてトラフェルミン(リグロス®,科研製薬㈱,東京)が製造販売承認された.本研究では,骨欠損を伴う自然発生的歯周炎に罹患した犬3頭に対するトラフェルミンの治療効果を検討した.同一患畜犬の口腔内で治療側と対照側を比較するスプリットマウスモデル法を用いた試験結果から,トラフェルミンの歯周組織再生における有効性を認めたので報告する.
著者
田村 和也 永原 未悠 永原 美治
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.356-359, 2019-06-20 (Released:2019-07-20)
参考文献数
15

1歳8カ月齢の雑種犬が食欲不振,下痢を主訴に受診した.画像診断により腹部に腫瘤を認め,細胞診及びリンパ球遺伝子再構成解析の結果より,T細胞由来の大顆粒リンパ球性(LGL)リンパ腫と診断した.多剤併用化学療法を試みるも治療に反応せず,第14病日に斃死した.剖検後の病理組織及び免疫組織化学検査では,腸間膜腫瘤に加え,肝,脾,肺,左右腎臓,胃腸,副腎,縦隔及び腰下リンパ節を含む全身臓器にT細胞リンパ腫の病巣が認められた.