著者
永松 正代 綾部 忍
出版者
日本下肢救済・足病学会
雑誌
日本下肢救済・足病学会誌 (ISSN:1883857X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.69-76, 2015 (Released:2015-03-31)
参考文献数
31
被引用文献数
1

要旨:壊死性筋膜炎は早期診断が重要である.鑑別疾患である蜂窩織炎の治療は抗生剤の全身投与であるが,壊死性筋膜炎の治療の根幹は早期の外科的デブリードマンであり,治療方針が異なるからである.2011 年10 月から2013 年6 月までの1 年9 カ月の間経験した壊死性筋膜炎9 症例について検討を行った.発症年齢は37 歳から86 歳に及び平均年齢は69.2 歳であった.4 例が基礎疾患に糖尿病を認めた.初診時に壊死性筋膜炎と診断されたのは3 例にすぎなかった.8 例にデブリードマン手術を行った.その結果,死亡率は33.3%であった.
著者
綾部 忍 三木 綾子 永松 正代 元村 尚嗣
出版者
一般社団法人 日本創傷外科学会
雑誌
創傷 (ISSN:1884880X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.27-33, 2014 (Released:2014-01-01)
参考文献数
8

基底細胞癌 (basal cell carcinoma : 以下,BCC) は,外鼻にみられる悪性腫瘍では最も多く,局所破壊性は強いが転移をきたすことはきわめてまれであり,腫瘍の完全切除により根治が期待できる。 鼻部皮膚欠損創の再建には周囲からの局所皮弁が選択されることが多いが,顔面に新たな瘢痕が形成されること,デザインに熟練を要することなどが問題となる。 今回われわれは,鼻部BCC切除後の皮膚欠損創 3 例に対し,2007年にHanらが報告した dermis graft で再建を行った。この方法は分層植皮片を脱上皮したものを移植し,周囲からの上皮化させるというものである。 色調・質感の点で良好な結果を得ることができたが,殿部という荷重部が採取部となることが問題であると考え,鼠径部から採取するよう修正した。 われわれの方法は手技が簡便で非荷重部から採取し,顔面に新たな瘢痕を形成することがないため,鼻部 BCC 切除後の再建方法として有用であると思われた。