著者
永瀬 喜助 神谷 幸男 穂積 賢吾 宮腰 哲雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.3, pp.377-384, 2002 (Released:2004-03-05)
参考文献数
14
被引用文献数
9

低湿度環境で自然乾燥性を持つ重合漆液の調製を目的として,反応容器中で生漆の反復「くろめ」1)を行った.すなわち簡易な実験用漆液重合装置を試作し,「くろめ」処理の繰り返しによって生漆1)を重合させ,漆液中のウルシオールの変化と低湿度環境(20–25 °C,45–55%RH)での乾燥性を調べた. 生漆は反復「くろめ」によって酵素酸化が進行し,この中に含まれるウルシオール単量体が減少する.また,この反応における反応容器の底面積と処理量および処理時間には,相関関係があることがわかり,その関係式を推測した.さらに,これらの変化に伴い,ヒドロキシ基価と抗酸化力が低下して側鎖の自動酸化が起こりやすくなり,低湿度環境での自然乾燥性が発現することを見いだした.