著者
永田 一清
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.670-679, 1973

最近, 低次元磁性体のスピン相関がかんしんをもたれている. この低次元化の魅力は, もちろん統計理論上における有利さにあるが, その真のねらいは, むしろスピン系の"次元数"を実験的なパラメータとして積極的に導入することにある. それによってスピン相関の距離及び時間依存性を, 温度とはまた別なかたちで変えることができ, スピン相関の問題を新しい視野から把らえることが期待されている. 本稿では最近の低次元磁性体の常磁性共鳴の研究を中心に, スピン相関と常磁性共鳴吸収の位置, 線形, 線幅などとのかかわりを探る.
著者
永田 一清
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.838-847, 1979

最近, 磁気共鳴が, スピン系の遅い変動を探る有力なプローブとして見直されている. 本稿では, 久保・富田の理論を基礎にして, 磁性体の次元数, スピン相関関数の長時間的なふるまい, 常磁性共鳴吸収スペクトル等の相互の関係を統一的に扱ってみる.