著者
永田 知之
出版者
京都大學人文科學研究所附屬東アジア人文情報學研究センター
雑誌
東方學資料叢刊
巻号頁・発行日
vol.18, 2009-09-30

京都大学人文科学研究所東アジア人文情報学研究センターが前身の時代より長らく開催してきた漢籍担当職員講習会での配布資料等に基づいて作成、漢籍の書誌情報採取に用いる参考書の紹介を主題とする。本文では検索の用途別に、汎用性が高い工具書等の特徴・使用法を略述する。後に附す漢籍整理参考資料では情報収集に役立つ文献・Web pageを列挙、簡単な説明を加えた。
著者
永田 知之
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.178-183, 2023-05-01 (Released:2023-05-01)

古代以来,日本では漢籍が多く収蔵されていたが,伝統的な四部分類に基づく書目は中世ではごく稀であった。これは,当時の書目の多くが仏典を対象とする聖教目録だったことを主因とする。19世紀に入ると,漢籍(非仏典)に四部分類を用いる書目の編纂が顕著となる。漢籍の増加,寺院の外での漢学の隆盛,『四庫全書総目』等による中国からの分類法の流入がその原因だろう。大正期以降は漢籍に特化し,四部分類を施す目録が珍しくなくなる。これは日本文化からの漢学など中国文化の析出が漢籍を他の書籍から独立させたことを一因とする。総じて言えば,書目での漢籍の扱いは中国文化が日本で占める位置の反映であり続けたと思しい。
著者
白須 裕之 永田 知之
雑誌
じんもんこん2006論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.1-8, 2006-12-14

データマイニングの主要な要素技術として、相関ルールマイニングの方法がある。本稿はこの方法を使って、中国唐代(618-907)の官僚が遷転した様子を解明しようとする一つの試みである。官職の遷転を研究する上で重要な要因としては、「エリートコース」として考えられる官歴のパターンがある。しかし、史料上、このような「エリートコース」が明示的に記載されることは稀である。人物が任官したという情報をデータベースとするとき、そこから任官の傾向を示すルール「官職A,Bについたことがある人はしばしば、官職Cにつく」を抽出することができる。このようなルールで抽出された官歴パターン中に、史料に明示されていない有意なパターンが含まれることが考えられる。