著者
永田 祥子 川上 昭吾
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.45-58, 2006-07-31
参考文献数
28
被引用文献数
4

わが国の学校と博物館等との連携をすすめるために,イギリスにおける博物館と野外教育センター10力所を調査した。特に,学校の子どもに密着して博物館等における活動を観察し,学校の立場からみて何が博物館等を利用しやすい要素であるのかを明らかにした。本報告はそのうち2つの博物館と1つの野外教育センターで得られた情報をまとめたものである。その結果,以下の7点がわが国にとって示唆される大きな内容であることが明らかになった。(1)博物館の展示がナショナル・カリキユラムと関係していることを明示しているように,学校教育に直接役立つことを博物館が説明すること,(2)学校との連携を深めるために,学校教育に有用な内容,補助教材等を準備すること,(3)国の積極的なバックアップ,(4)官・民の両要素を加味するとよいのではないか,(5)学校への教育活動と社会教育活動を分別して実施すること,(6)教師に明確なメッセージを示すこと,(7)施設を充実させること。