著者
江口 昇次 竹内 久人 江崎 俊之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.7, pp.1250-1254, 1987-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
23
被引用文献数
11

ω-アジドカルボニル化合物[2],[4],およびω-クロロ酸アジド化合物[6]の分子内aza-Wittig型閉環反応性について検討した。出発原料であるアジド化合物は,対応するクロロ化合物の相間移動触媒存在下,NaN3の求核産換反応により,または,HN3のα,β-不飽和ケトンへのMichael付加反応により合成した。一般に,分子内aza-Wittig型反応による五員環への閉環反応は容易に進行したが,四員環への閉環反応は進行しなかった。しかし,2-フエニル-1-アギチン[18]のβ-アジドプロピオフェノン[2a]の分子内aza-Wittig反応による生成は,1-フエニルシクロピロピルアジド[23]の熱分解による別途合成,および,[18]のLiAlH4還元体[19]の生成により確認できた。