著者
白石 啓義 江波 義成
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.7-10, 2002-03-20 (Released:2009-12-18)
参考文献数
8

トビムシとササラダニは, メソファウナに属する節足動物の一群である. 世界中に広く分布し, 畑地でも普通に見られる. 生態系の中で, 分解者としての役割を果たし, 多くの種は菌食性と考えられている. 著者らは植物病原菌を摂食するヒダカフォルソムトビムシ, アヅマオトヒメダニ等を用い, 苗立枯れ症などの防除に利用する手法を検討し, ポット試験, および枠圃場において病害防除効果を確認している. なお, 一部の種は, 植物を加害すると言われているが, 未だに生態に不明な点が多く, 未知なる領域を秘めた研究対象である.
著者
江波 義成
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.40, pp.39-42, 1989-12-25

滋賀県の土壌中からササラダニ類ジュズダニ科Belbaの1新種を記載し,ササカワジュズダニBelba sasakawaiと命名した.本種は,その1対の後体部背毛(ps_1)が長い点でB. meridionalis BULANOVA-ZACHVATKINA,1962と類似する.しかしなから,後種のps_1はps_2やps_3の約2倍長であるのに対し,本種のそれは3倍以上あること,また本種は8対の背毛(c-, l-, h-series)がやや内側に列生することとより小型(約2/3の体長)であることからB. meridionalisと区別される.