著者
小林 知子 伊藤 友章 瀬下 治孝 江草 智津 原田 和俊 大久保 ゆかり 新妻 知行
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.1046-1050, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
8

症例1は10代女性.6歳から緑豆もやしを食べると口唇の腫脹と口腔内違和感が出現.症例2は20代男性.もやしラーメンを食べたあとにアナフィラキシーショックで当院救命救急センターへ搬送された.2症例ともprick-to-prick testで緑豆もやしに陽性をしめした.さらに症例2は大豆もやしにも陽性となった.また2症例で,バラ科果実でprick-to-prick test施行したところ陽性をしめし,シラカンバ,Gly m4,Bet v1に対する特異的IgEが陽性であった.緑豆もやしは,Vig r1のアレルゲンコンポーネントをもつため,PR-10ファミリーに属す.本邦では緑豆もやしを常食しているが,アレルギーの報告が少ない.しかし,シラカンバアレルギー患者で交差の可能性がある場合は,適切に検査したうえで緑豆もやしアレルギーと診断し,アレルギー専門医はpollen-food allergy syndrome(PFAS)について詳細な食事指導する必要がある.