著者
池島 信江
出版者
大阪市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

疲労状態を客観的に定量化することは未だに確立されていない。ラット疲労モデル動物において疲労負荷により下垂体での形態異常が見られることから、疲労負荷を与えたラットの末梢血中における下垂体ホルモン変化を調べたところ、α-Melanocyte stimulating hormone(α-MSH)の上昇が認められた。この結果をさらにヒトへと発展させ、著しい疲労感を呈する慢性疲労症候群(Chromatic Fatigue syndrome ; CFS)についてα-MSHの血漿中濃度を調べたところ、CFS群は健常者群より有意にα-MSHの値が高いことが示された。α-MSHは過労のバイオマーカーの一つになることが明らかにされた。