著者
池田 一郎
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.4, pp.p101-104, 1975-12

幼稚園・保育所で使用される所謂"お"ことばの乱川については従来多く論じられてきたところである.これはつぎの朝日新聞への投書欄から引用されたものが代表しているであろう.去年幼稚園にはいった長男が「お汽車がシユッ・シユッ,お汽車がシユッポッポ」と歌っている.「お母さまお始まりになっちゃうよ」のヒ"お始まり"をやっと聞きなれた耳にこんどは"お汽車".変だと思われることぽにもいつのまにかマヒしてしまう.ある奥さまの"お幼稚園""お髪""おミシン"なども聞きなれれぽさきほど変にも感じなくなってきた.しかしこういう極端にバカていねいな聞き苦しいことぽは,おたがいの問から早くなくしたいと思う.まず先生がたが正しいことばつかいのお手本を示していただきたい.現在幼稚園あるいは保育所の在籍者にさらに無認可の幼稚施設在籍者を含めてわが国幼児の殆んどをしめているとき,とくに最近3年保育が重視されはじめてからは幼児におけることぽの問題が極めて重要になってきた.幼児が長期間にわたって幼稚園語を使川することは成人語への移行という過程で再検討を要するのどはないかという点から幼稚園・保育所において多く使用されている"お"ことばについて考えてみたい.
著者
池田 一郎
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

○研究目的近年、大学では女性研究者・女性医療従事者を中心とした処遇ならびに勤務環境改善のために学内に保育所を設置する例が増加している。その形態のほとんどが認可外保育所の事業所内保育所である。これらの保育所の経営については、開設の事例が整理されている程度で、経営手法などの調査はほとんどされていないのが現状である。本研究では、学内保育所の経営現状を調査・分析することにより、大学にとって効果的な保育所政策を実施するために行うものである。○研究方法全国国公私立大学752校の事務局に向け郵送による質問紙アンケートを実施(回答率49.4%)し、返送されてきたものに対して分析を行った。保育所の開設の有無・希望を基礎として、開設に至れない理由、開設している保育所の内容、経営上問題点、大学の子育て支援策などについて尋ねた。また、国立大学を中心に、大学直営、学童保育を設置、業者委託方式、学内に複数の保育所を設置・運営している大学6大学実地調査をした。○研究成果国公私立大学を見ると国立大学の開設割合が最も大きい、開設できない理由は、経費面の厳しさと学内から声が上がらないという理由が上位だった。開設のきっかけの上位は学内からの声である。大学の保育収入の54%が利用者の保育料で残りのほとんどは補助金である。経費面を見ると、大学からの何らかの経費補填が87%の大学であり、経費の補填額の35%の大学は10,000~40,000千円の補填額である。問題点の上位にも経費の問題が上がっている。保育料収入と補助金収入だけでは運営できる経営構造ではないことが明らかになった。子どもの体調不良に対応する機能を持つ保育所は24%であり、経費がかかる・スペースがないなどの理由により設置できない現状である。保育所設置効果は、育児を理由とする退職者の減少と、勤労意欲の向上、優秀な人材確保が見られた。