著者
池田 隆博 佐田 達典
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_101-I_116, 2012 (Released:2013-03-29)
参考文献数
9

衛星測位分野では現在GPSの利用が主流であるが,近年GLONASSなどの利用可能な衛星が増加しており,複数衛星系による併用測位が今後一般的になるものと想定される.また,衛星数が増加することで,マルチパス等の誤差を含む衛星電波を排除しても,測位に必要な衛星数を確保できるようになったため,事前に衛星電波の状態を把握し測位に使用する衛星を選択することが求められる.本研究では,マルチパスの影響を受ける衛星電波を判別するため,衛星の搬送波の距離変化を使用して判別を行い,それをもとに測位に利用する衛星を選択し測位性能の検証を行った.その結果,搬送波の距離変化を用いることで,マルチパスの影響を受ける衛星電波の判別が可能であること,利用衛星を選択することで,Fix解の取得率が増加し,解の欠損を生じることなく測位できることが確認された.
著者
岩上 弘明 佐田 達典 石坂 哲宏 江守 央 池田 隆博
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.II_7-II_12, 2013 (Released:2014-03-19)
参考文献数
4

準天頂衛星が放送するLEX信号を用いた,単独搬送波位相測位(PPP)によって,センチメートル級の測位精度が期待されている.日本の天頂付近に長時間留まる軌道を持つ衛星システムであるので,日本国内の山間部や都心部の高層ビル街などでも,測位できる場所や時間を広げることができる.本研究では,キャンパス内を仮想の街として,異なる遮蔽環境下で,LEX信号を利用したPPPによる測位精度の検証を行った.また,JAXAが開発した複数GNSS対応高精度軌道・時刻推定ツールMADOCAによって生成した暦を用いた後処理PPP測位も実施し測位精度の比較を行った.その結果,遮蔽環境が測位精度に影響を与えることが確認された.