著者
池見 達也 大野 真 生天目 章
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.375-376, 1997-03-12

エージェントは独自のあり方を追求するが, 他者との関係の中でしか生きられなく, 本質的に社会的存在である. エージェントは自らに固有な何かを実現させようとせざるを得ない存在であり, 社会的位置づけによって行動することを余儀なくされる. これは, エージェントは何らかの組織の中に自らを位置づけることによってのみその生活を維持し, 他者との接触により社会的学習をしつつ成長するからである. 各成員がお互いに何らかの心理的関与を持っている集合体は「集団」と定義される. 自己の効用を持ち, それを最適するための合理的な意思決定をするエージェントの集団を考えたとき, エージェントは相互作用し, その結果, 同調行動をとるようになる. エージェントがいかに合理的な意思決定をするかは, 自己の効用関数と, エージェント間の相互作用の結果生み出される集団規範による集団圧力との間のバランスをどのようにとるかが一番の問題となる. 本研究では, このような同調行動問題を定式化し、また, 同調行動によって引き起こされる社会ゲームの一つであるバンドワゴン効果について考察する.