著者
楊 華 汪 霞琴
出版者
日中言語文化教育推進会
雑誌
日中言語文化 (ISSN:2435273X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-6, 2021 (Released:2021-12-29)
参考文献数
14

要旨 新世紀以来、司馬遼太郎及びその文学作品に関する研究は多様化してきたが、これまで司馬の日露戦争認識に対する検討は数少ない論文だけにかぎり、まだ深く研究されていない。長篇小説『坂の上の雲』では、司馬が秋山好古、秋山真之兄弟、正岡子規などの主人公の生い立ちを通して、明治時代の日清戦争、日露戦争を述べている。小説の中で、日露戦争がロシアの脅威による「国民戦争」と「祖国防衛戦」であると司馬は主張している。史実に基づく分析により、その戦争認識は極めて間違っていることが分かり、批判すべきである。また、司馬遼太郎の日露戦争観の形成原因について、本稿では司馬が受けた『教育勅語』の影響、本人の軍人体験、明治時代への憧れなどから探し求める。
著者
楊 華 汪 霞琴
出版者
日中言語文化教育推進会
雑誌
日中言語文化 (ISSN:2435273X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-6, 2021

要旨 新世紀以来、司馬遼太郎及びその文学作品に関する研究は多様化してきたが、これまで司馬の日露戦争認識に対する検討は数少ない論文だけにかぎり、まだ深く研究されていない。長篇小説『坂の上の雲』では、司馬が秋山好古、秋山真之兄弟、正岡子規などの主人公の生い立ちを通して、明治時代の日清戦争、日露戦争を述べている。小説の中で、日露戦争がロシアの脅威による「国民戦争」と「祖国防衛戦」であると司馬は主張している。史実に基づく分析により、その戦争認識は極めて間違っていることが分かり、批判すべきである。また、司馬遼太郎の日露戦争観の形成原因について、本稿では司馬が受けた『教育勅語』の影響、本人の軍人体験、明治時代への憧れなどから探し求める。