著者
江田 真毅 川上 和人 沖田 絵麻
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

土井ヶ浜遺跡の1号人骨・「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨の同定は、弥生文化の宗教儀礼の理解に重要である。しかし、これらの骨は断片化しており、骨形態の観察による同定は困難であった。そこで本研究では、コラーゲンタンパクのアミノ酸配列の違いによる同定を鳥類に初めて適用した。現在日本に生息する鳥類を対象に、同定に役立つアミノ酸配列のピークを特定するとともに、「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨を分析した。その結果、「鵜を抱く女」と共伴した鳥骨はフクロウ科のものであることが明らかになった。一方で、これらの鳥骨が人骨に副葬されたかどうかはさらなる検討が必要である。