著者
太田 和子 沢原 英幸 宮本 裕美 河原 一男
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.809-816, 1985-11-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
9

水溶性多糖であるプルランを用い, 徐放性錠剤の作製を試みた, プルランは粉末を直接打錠するのみで錠剤となる. 水中での溶解挙動を研究し, 次の特徴を見いだした. 碇剤は崩壊することなく, 表面より徐々に溶解して含有した薬物が放出される, その溶解速度はほぼ0次に近く, プルランの分子量に依存し, 試験液のpHにはよらない. 多層錠あるいはコーティング錠とすることによって溶解挙動を変化・制御できる. 薬物を70%含有しても水中で崩壊しない. 製剤方法が容易で, 人体に安全なことからも, プルランは薬物の徐放性製剤に利用できると考えられる. 医薬の賦形剤として用いられているデンプン, 微粉末セルロース及び各種のセルロース誘導体とプルランとの混合物の錠剤について研究した結果, 溶解速度がほぼ0次であるプルランの特徴は大部分の混合錠剤でも同様であった. ビーグル犬を用いたスルファメチゾール放出実験の結果, 高分子量プルラン, プルランとヒドロキシプロビルメチルセルロースとの混合物の錠剤は徐放効果があることが認められた.