著者
河井 良浩 植芝 俊夫 富田 文明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.315-316, 1997-09-24
被引用文献数
1

マイクロマシン技術において, その基礎のひとつである計測評価法の確立が求められている。形状測定に関しては, 市販品としてレーザ顕微鏡, 触針式の形状測定機, 触針式の段差測定機, 原子間力顕微鏡などがあるが, 3次元的な複雑形状部品の測定, 評価には適していない。また, 微生物などの動物体の3次元形状測定において, レーザ顕微鏡は生命体を殺傷してしまうなどの理由で適当ではない。光学顕微鏡から得られる画像を解析するシステムに関しては, 単眼の画像をイメージフォーカスを利用して3次元形状を復元するシステムが市販されている。しかし, 精度, 動物体を扱えないなどの短所がある。そこで2眼のステレオ画像を扱うことで3次元形状を計測するステレオ顕微鏡の研究が行われている。今回, 我々は光学顕微鏡に2台のカメラ, x-y-zステージを組合わせ, 立体形状を柔軟に測定できるステレオ顕微鏡システムを開発した。対象物体を拡大したステレオ画像を解析し, 3次元微細構造の復元を行う。ステレオ法に関する技術については我々の研究・開発してきた処理モジュールを組み合わせることで行っている。[2]のシステムとの相違は, x-y-zステージとの組合わせにより, (1) カメラキャリブレーションを容易に行え, (2) 高倍率時の焦点深度の変化に対応可能な点である。本発表では, システムの概要を紹介し, カメラキャリブレーション法や復元手法について述べる。
著者
河井 良浩 石山 豊 植芝 俊夫 高橋 裕信 富田 文明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.291-292, 1994-03-07

これまでのビジョンシステムは受動的で、与えられた環境のみを観測・認識していたが、ロボットの眼として考えた場合、システムが能動的・計画的に注視点を変えたり、ズームアップすることの必要性と有効性が認識され始めている。例えば、複雑な形状をもつ物体を扱う場合、全体像だけでは得られない細かな部分の情報は、その部分をズームアップして得る必要がある。またハンドアイロボットでは、視覚によって操作する物体の位置・姿勢の認識、ハンド操作のビジュアルフィードバックと操作ミスの発見が重要な課題となるが、ハンドの作業内容によって注視点を計画的に変えなければならない。そこで、3次元情報を能動的に測定できるステレオカメラシステム-パタパタ-を開発した(図1)。本システムには、3台のテレビカメラに電動ズームレンズが取り付けられ、ズーム, フォーカス, アイリスの制御がコンピュータで制御可能となっている。各カメラはそれを支持する雲台にのり、輻輳制御が可能である。またこれら3台の雲台を支える支持台は別の雲台の上に掲載され、首振り(パン、チルト)制御が可能となっている。これらもコンピュータ制御される。この機能により、対象の形状、位置、移動に応じた柔軟性のあるステレオビジョンが可能となっている。基本的には2台のカメラで行なうが、3眼ステレオに対応できるように、3台をカメラ有している。[figure]