- 著者
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河本 大地
吉田 寛
中谷 佳子
河原 和之
- 出版者
- 奈良教育大学次世代教員養成センター
- 雑誌
- 次世代教員養成センター研究紀要 = Bulletin of Teacher Education Center for the Future Generation (ISSN:21893039)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, pp.177-188, 2021-03-31
本稿では、COVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の世界的・全国的拡大による学校教育への影響をふまえた、地域学習 (郷土学習) の在り方を検討する。2020年7月19日に、「新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) とESD地域学習―『Withコロナ』の経験を共有し『Postコロナ』に活かそう―」をテーマに、Zoomを用いたオンラインシンポジウムを企画実施した。本稿ではまず、このシンポジウムの開催経緯と内容、実践報告を示す。そのうえで、シンポジウム内でおこなわれた議論および開催後の参加者アンケートをもとに、COVID-19の流行の経験をふまえた今後の地域学習の在り方を検討する。結果は3つに大別できる。第一に、地域をめぐるフィールドワークは、地域のリアルな状況を把握するうえで重要であり、関係者の理解を得たうえで積極的に実施する必要がある。第二に、オンライン環境の活用可能性が増していることは地域学習にとって好機になる。第三に、学びの対象としてのコロナ禍が加わった。ローカルな地域の様々な要素とグローバルな要素がリンクしていること、社会構造や政治が私たちの行く末を大きく左右することが実感できる。以上を組み合わせることで、地域学習を通じて、学習者は持続可能な社会の構築を自分事にできる可能性がある。