著者
小川 一仁
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.36, no.36, pp.10-13, 2017 (Released:2018-08-10)
被引用文献数
1
著者
箕輪 京四郎
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.37, no.37, pp.74-80, 2018-09-30 (Released:2019-05-13)

本稿は,①お金とは何か,②お金は,いつごろ,どのように生まれ,どう変わってきたか,③お金は,どういう働きをしているか,プラス面とマイナス面を高校生に教えようとする教案である。 「経済」を暗記科目でなく,生徒の心に響き,社会観・世界観を広げ,豊かにするような科目に改造する一助になれば,と願う。
著者
森田 佐知子
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.40, no.40, pp.102-109, 2021-12-01 (Released:2022-06-21)
参考文献数
41

本研究の目的は,実践共同体に関する国内外の文献をレビューすることで,特に,実践共同体が個人の自律的キャリア形成に与える効果についての研究の展開と課題を整理することである。文献レビューの結果,実践共同体の概念はナレッジ・マネジメント領域で普及し,その機能(成果)の一つとして個人の自律的キャリア形成があげられていることが分かった。さらに今後の課題として,①実践共同体とキャリア理論におけるアイデンティティ概念の整理の必要性,②実践共同体への参加が個人のキャリア形成に効果を与えるプロセスの解明,③個人の生涯発達(キャリアステージ)ごと,もしくはステージ間での比較研究の可能性検討,の3つが抽出された。
著者
塩沢 由典
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.36, no.36, pp.4-9, 2017 (Released:2018-08-10)

経済学の危機はひじょうに深い。それは経済の諸問題に対し,経済学が有効な対策を提示できないという範囲に止まらない。問題の深さは,理論を根本から作りなおす必要,需要供給の法則を理解しなおすことにまで及んでいる。この事態は,しかし,経済学教育を真に教育的なものにする基盤をも与えている。既成の知識を教え込むのでなく,深く考える仕方を教えるには,論争をベースとする教育がふさわしい。経済学が危機にあること,その危機が乗り越えられつつあることは,経済学を「わくわくする」ものにしており,それは経済学教育を「わくわくする」ものに作りかえる基盤でもある。
著者
金子 浩一
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.36, no.36, pp.129-139, 2017 (Released:2018-08-10)

筆者は,中学校の社会科・公民的分野における経済概念に関して,2014年度にアンケート調査を行った。全国から400の中学校が無作為抽出され,社会科教員158人の回答を得た。調査結果から,金融政策より財政政策が詳しく教えられている実態がわかった。たとえば,拡張的金融政策については,金利の低下に言及せずに景気を改善させることを説明している場合もある。それは貨幣市場に関わる金融政策がなぜ財市場の増産につながるのかを説明していないことを意味する。また,現行課程の新項目の一つ「預金通貨の創造」について,その用語が記載された教科書を使用する教員の過半数が説明していないことも判明した。
著者
箕輪 京四郎
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.35, no.35, pp.95-104, 2016-09-30 (Released:2018-08-10)

本稿は「外国為替」を高校生や一般市民に生き生きと教えようとする教案である。「経済」を暗記科目に堕さないように改造する一助になれば,と願う。 まず①外国為替取引の仕組みを図解する。両替など身近な例から導入し,対顧客取引,銀行間取引,為替介入を位置づける。②円高・円安の意味,③なぜ為替レートが変動するのか,そして為替レートが変動すると,何がどう変わるか,④1949年に,なぜ1㌦=360円が設定されたのか,⑤なぜ固定相場制が放棄されたのか,そして,その後の円相場の推移と背景を扱う。 一部,為替相場変動の状況・経緯・背景を,当時の新聞記事や統計によってリアル・追体験的に示す。
著者
長谷川 岳雄
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.39, no.39, pp.87-92, 2020-09-30 (Released:2021-11-12)
参考文献数
9

人生100年時代において,職業人生の移行期であるトランジション(転機)が増える。後悔は,そのトランジション(転機)において生じる可能性が高い。本研究では,日本人ビジネスパーソンの後悔の内容と特性を明らかにするために,20年以上のビジネス経験を有する現役の387名のビジネスパーソンにWeb調査を実施した。 行為後悔(やった後悔)と強い後悔は役に立つということが示唆された。行為後悔と強い後悔は,その後の思考・行動の変化に反映される可能性が高い。そして,後悔の後に自身の思考・行動に反映(変化)させたことを通して,キャリアの満足度にポジティブな影響を与えている。行動することは重要であるが,その後の内省・反映が更に重要であることが示された。
著者
塩沢 由典
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.36, no.36, pp.4-9, 2017

<p> 経済学の危機はひじょうに深い。それは経済の諸問題に対し,経済学が有効な対策を提示できないという範囲に止まらない。問題の深さは,理論を根本から作りなおす必要,需要供給の法則を理解しなおすことにまで及んでいる。この事態は,しかし,経済学教育を真に教育的なものにする基盤をも与えている。既成の知識を教え込むのでなく,深く考える仕方を教えるには,論争をベースとする教育がふさわしい。経済学が危機にあること,その危機が乗り越えられつつあることは,経済学を「わくわくする」ものにしており,それは経済学教育を「わくわくする」ものに作りかえる基盤でもある。</p>
著者
越田 年彦
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.35, no.35, pp.113-118, 2016-09-30 (Released:2018-08-10)

経済倫理を経済内倫理,経済外倫理に分けて,それぞれの概念を論じる。そして,代表的な経済学者や思想家の経済倫理学説を取り上げて,各学説がどちらの経済倫理を論じたものなのかを明らかにする。
著者
秋田 真
出版者
経済教育学会
雑誌
経済教育 (ISSN:13494058)
巻号頁・発行日
vol.37, no.37, pp.138-144, 2018-09-30 (Released:2019-05-13)

小学校社会科の授業で扱われる基本的人権の尊重を児童に主体的に学ばせるための試みとして,J.ロールズが提唱した「無知のベール」を用いることの効果を検証した。青森県内の小学6年生に,経済的公正を勘案させる教材を用いて,4つの立場(会社社長,サラリーマン,大学生,失業者)でロール・プレイングをさせた。プレイでは,税制や年金制度について意見を述べ,政策判断をするよう指示した。その後に,「無知のベール」を被り自分の立場が分からない状況で,再び,同様の政策判断をさせた。その結果,「無知のベール」を用いることによって,児童の判断がより基本的人権を重視したものに変化することが確認された。