著者
黒川 太 河原 礼修
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = CHIBA KEIZAI RONSO (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.63, pp.101-117, 2020-12-01

学習成果における学生のエンゲージメントが果たす役割は非常に重要であるとの見解は共通認識となっている.日本においても学生のエンゲージメントをあらわす指標として,自主的な学習時間の確保が不可欠であるとの認識が広まっている. ただし,日本における大学生を対象とした学生のエンゲージメントに関する研究においては,データ制約などの事情もあり学習成果として客観的指標を用いた分析は少ない.よって本稿では客観的学習成果指標を用いることを前提に,本学の学生データとアンケートデータを用いて成績素点と自主学習時間をはじめとする学生のエンゲージメント要因,学生個人の属性要因,教育環境要因との関係を分析した. 分析の結果,学生のエンゲージメントの1要素である自主学習時間は学習成果に対する影響は認められるが,その効果は比較的小さいものであった.一方,学生のエンゲージメントの他の要因である授業出席回数や授業に関する興味関心については,自主学習時間よりも学習成果に大きな影響を与えていることが確認された.
著者
河原 礼修
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 The proceedings of Chiba Keizai University (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.61, pp.79-109, 2019-12

本論は自己評価点検の一つとして千葉経済大学で実施された学生の授業評価アンケートについて、学生満足度を向上させるためにどのような方法をとることが望まれるかを学生視点から検討し、学生満足度を向上させる要因について定量的な分析を行うことを目的としている。分析の結果、授業に対する学生満足度に授業内容への興味や関心、教員の授業に対する態度、および授業の難易度などが統計的に有意に影響していることが確認された。