著者
河原林 健一 HOSHINO Richard
出版者
国立情報学研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

2012年度の研究は、2011年度に引き続き、グラフ理論をスケジューリング問題に応用する研究を行った。特に日本プロ野球の日程に関して、以下の条件を考慮したスケジュール作成を行った。1.ホーム、アウェイゲームの連続性(ホーム、アウェイは2カードまで)2.各球団は、他球団との対戦をほぼ平等に行う(シーズンの最後に特定カードを多数残すことのないようにする)3.休日と週末でのホームゲーム試合数の均等化4.球場が使えない日程を考慮これらの条件を満たす中で、1.全球団の移動距離の総和を最小にする2.全球団の移動数を最小化にするこの2つを満たすような日程作成を目指した。この問題は、グラフ理論で考えられている「巡回トーナメント問題」の派生問題である。本年度、上記を満たす日程作成に成功した。この研究のインパクトは、アカデミック界のみならず、3月に朝日新聞の夕刊で報告されるなど、一般の社会にも伝わったようである。また、日本のみならず、アメリカ数学会、カナダ数学会の学会誌にも上記の仕事が紹介されるなど、海外にも認知度が高い研究となった。将来的な課題としては、上記の条件以外、前年度の成績を考慮し、前年度の成績がいいチームとの対戦が続かないようにする配慮する(キャリーオーバーエフェクト)取組が残っている。この点も考慮して、将来的に日程作成を行いたいと考えている。また本研究は、数学的理論が、実社会に貢献できる良い例になったと考えている。
著者
大坂 直人 秋葉 拓哉 吉田 悠一 河原林 健一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

バイラルマーケティングは,高影響力の少人数に商品の試供品を与え,消費者間の口コミ効果を通した販売促進を行う.ソーシャルネットワークからそのような頂点集合を選ぶ問題は影響最大化と呼ばれ,効率的手法が研究されてきたが,多くは静的であり,巨大かつ動的な現実のグラフの実時間処理は計算時間的に困難である.本研究は頂点・辺の追加・削除を即座に反映し,影響力推定・影響最大化クエリを高速に処理する索引を提案する.