著者
河口 賀彦 河野 浩二 三井 文彦 藤井 秀樹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.1471-1476, 2010 (Released:2010-12-25)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

症例1は79歳,男性.CTで胃軸捻転症と診断し,減圧目的に胃管を挿入した.上部消化管内視鏡で胃粘膜の血流障害を認めたため,緊急手術を施行した.胃は腸間膜軸方向に捻転しており,胃全摘術を施行した.症例2は79歳の女性.CTで胃軸捻転症と診断し,減圧目的に胃管を挿入した.上部消化管内視鏡で胃粘膜の虚血性変化は認めなかったが,整復困難であったため,緊急手術を施行した.食道裂孔ヘルニア内に胃の前庭部が捻転を伴い,嵌頓していた.用手的に胃を還納し,捻転を解除した.一般に胃軸捻転症は,CT検査でその診断はほぼ可能である.治療は,胃管を挿入し減圧を図った後,上部消化管内視鏡を実施し,胃粘膜の観察と捻転の解除を試みる.捻転が解除できない場合や,粘膜の血流不全が認められる場合は緊急手術を施行する.胃軸捻転症は比較的まれな疾患であるが,上記の治療アルゴリズムにより,その診断,治療は適切に実施できると思われた.