著者
光永 靖 河合 修輔 米山 和良 松田 征也 山根 猛
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.251-255, 2005
参考文献数
13
被引用文献数
8

琵琶湖固有の定置網であるエリ周辺で,コード化超音波発信機と設置型受信機を用いてオオクチバスを追跡した。オオクチバス4尾(TL : 34.0〜37.0cm)の腹腔内に受信機(Coded V8SCL, VEMCO製)を埋め込み,エリの中心に放流した。エリの垣網に設置型受信機(VR2. VEMCO製)3台を250mと敢えて間隔を狭めて仕置し,詳細な移動を把握した。50日以上追跡した2尾は, 10℃以下の低水温にも関わらず,昼間にエリから遠ざかり,夜間にエリに近づく日周移動を示した。同時にエリ周辺に設置した流向流速計の記録から,5m/sec以上の南西流が卓越した後,個体はエリから遠ざかったことが分かった。受動型漁具である定置網の漁獲には対象魚の移動と周辺の流動環境が密接に関わっていると考えられる。