著者
山根 猛 山口 恭弘
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.41, pp.123-129, 2008

我が国の沿岸漁業では様々な魚種を対象に定置網が操業されている。本漁業の生産量は678000トンで、沿岸漁業総生産量1901000トンの36%を占める(1996年)。本研究では、長崎県対馬東岸の志越漁場における定置網を事例に現地調査を実施した。日別漁獲量・種組成は季節により大きく変動するものの、漁期をとおして20種以上が漁獲された。当該域における漁獲種の利用方法は、投棄死亡そしてポストハーベスト・ロスを減少させるように機能している。当該域において如何にして資源の合理的な利用がなされているかについての事例を述べる。
著者
山根 猛 田中 祐志
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学農学部紀要 (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.37-43, 1999-03-31
被引用文献数
2

熊野灘南部太地湾での定置網漁獲量と水温変動の関係について検討した。夏季に熊野灘海域に発生する沿岸湧昇に起因する湾内の一時的な水温低下は, 深海性魚類であるムツ, そしてクロシビカマスの漁獲量に影響する。特に, 当該漁場で商業的有用種であるムツの漁獲量は, 沿岸湧昇による水温変化が大きいほど多獲される傾向が見られた。熊野灘沿岸に発生する沿岸湧昇は外洋に向けて広く開口した太地湾の湾奥にまで波及し, 夏季に太地湾で漁獲される深海性魚類の漁獲量に大きく影響する可能性を示唆する。
著者
山根 猛
出版者
一般社団法人 ターボ機械協会
雑誌
ターボ機械 (ISSN:03858839)
巻号頁・発行日
vol.8, no.9, pp.523-530, 1980-09-10 (Released:2011-07-11)
参考文献数
12
著者
光永 靖 河合 修輔 米山 和良 松田 征也 山根 猛
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.251-255, 2005
参考文献数
13
被引用文献数
8

琵琶湖固有の定置網であるエリ周辺で,コード化超音波発信機と設置型受信機を用いてオオクチバスを追跡した。オオクチバス4尾(TL : 34.0〜37.0cm)の腹腔内に受信機(Coded V8SCL, VEMCO製)を埋め込み,エリの中心に放流した。エリの垣網に設置型受信機(VR2. VEMCO製)3台を250mと敢えて間隔を狭めて仕置し,詳細な移動を把握した。50日以上追跡した2尾は, 10℃以下の低水温にも関わらず,昼間にエリから遠ざかり,夜間にエリに近づく日周移動を示した。同時にエリ周辺に設置した流向流速計の記録から,5m/sec以上の南西流が卓越した後,個体はエリから遠ざかったことが分かった。受動型漁具である定置網の漁獲には対象魚の移動と周辺の流動環境が密接に関わっていると考えられる。