著者
河田 東海夫
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.32-35, 2015 (Released:2020-02-19)
参考文献数
7

欧州では自然放射線による国民の年間線量が日本人の倍以上になる国がいくつもある。欧州全体では,年間7mSvを超える住民の総人口は2,000万人を超え,13mSvを超える総人口は約600万人と見積もられる。そうした環境下でも,欧州では高度に文化的な生活が連綿として営まれてきたという事実は,原発事故の避難住民が「1mSvの呪縛」を克服し,どの程度の被ばくなら受忍可能かを考えるうえで,重要な示唆を与える。