著者
河野 哲夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.507-513, 1960-11-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
3

対流圏散乱によるテレビの遠距離伝送の要求に際し, 散乱波のような多重路伝播によって, テレビの広帯域情報をひずみなく伝送することが, 果してどの程度まで可能であろうか, という疑問が生ずる.この伝播様式の欠点の一つである非常に大きな伝送損失は, 将来大電力送信と低雑音受信の技術が発達すれば, ある程度補償される可能性は多いが, 伝送可能帯域幅を十分広くとれないという欠点は将来ともかなり厄介な問題として残されると思う.そこで本文では実験用の散乱回線について伝送可能帯域幅を測定した結果と, その改善対策について述べ, 一方この回線で行なったテレビ伝送の予備試験の概況を報告してある.