著者
河﨑 宜史 池谷 のぞみ
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.1028-1033, 2013-09-15

病院などの医療組織では,異なる専門性を持つスタッフによる複雑な協働を通して成り立っている.それぞれの専門性を最大限に発揮することで高度な医療を提供することが可能となるが,それを実現し,促進するようなしくみがこれまでになく求められている.しかし医療は高度に専門化され,複雑な協働によって成り立っているため,革新的なシステムをデザインするには,人々が複雑に作業をしている医療の現場に入ることで業務を深く理解する必要がある.事例として提示する検体検査業務のエスノグラフィ調査と分析を通じて,検査業務を始めとする病院業務における協働を支援するシステムデザインの問題といかに結びつけることができるかを示す.