著者
國井 昭男 沼田 真奈
出版者
日本テレワーク学会
雑誌
日本テレワーク学会誌 (ISSN:13473115)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.47-54, 2015-03-31

近年、普及拡大傾向のテレワークにおいて、在宅勤務のみならず、交通機関・宿泊施設・飲食店などでのモバイルワークやコワーキングスペースで仕事をするスタイルが増えており、無線LANサービス、特に不特定多数の利用者を想定した公衆無線LANサービス(パブリックWi-Fi)が活用されるようになってきた。しかしながら、パブリックWi-Fiには「盗聴」「不正アクセス」「改竄」「なりすまし」「不正利用の踏み台」など、様々な脅威が潜んでおり、テレワーク普及の阻害要因となりかねない。パブリックWi-Fi提供者は、利用者の安全を確保するために無線通信区間の暗号化や端末同士の通信の遮断などといった対策を、更には、提供するWi-Fiの悪用を防ぐためにアクセスログの保管などといった対策を、講じる必要がある。一方、テレワーカーなどのパブリックWi-Fi利用者は、接続先アクセスポイントや暗号化の確認、SSLの利用などといった対策を講じる必要がある。テレワーカーの安全なWi-Fi利用に向けて、テレワーカー自身、あるいは、テレワーク環境を提供する企業・組織として、最低限、理解し、実践することが、テレワークの一層の普及拡大にも資するものと言えよう。