著者
村上 研二 前川 裕治 泉田 正則 木下 浩二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.210, pp.101-106, 2003-07-18
参考文献数
6

直線や円などの画像構成要素(プリミティブ)を抽出する手法としてHough変換が知られている.筆者等は先に,このHough変換の投票配列の次元数を少なくすることで高速にプリミティブを抽出できる「ローカル極座標を用いたプリミティブの抽出法」を提案した.しかしながらこの方法には,「プリミティブの抽出速度が,画像に含まれる雑音の位置と量に影響を受ける」という性質(この性質を「雑音依存性」と呼ぶ)があり,これが実際にこの方法を利用する際の問題となっていた.そこで本橋では,この雑音依存性に対する解決策を提案する.提案する方法は,ローカル極の原点付近にウィンドウを設定し,このウィンドウ内の演算でローカル極設定の可否を判断するというもので,簡便な方法であるにも拘わらず高い効果を発揮することを種々の実験結果から明らかにしている.