著者
岡崎 辰彦 寺田 努 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.38, pp.93-98, 2011-05-06
参考文献数
4

現在,着ぐるみは様々なイベントで数多く利用されている.しかし,多くの着ぐるみは体の大きさや形が人間と異なっており,着ぐるみ装着者が自分の姿勢を認識することが難しい.また,着ぐるみ装着者の視界は制限されており,周囲の人々の存在を感知しづらく,人々とスムーズにコミュニケーションを行うことが難しい.そのため,着ぐるみ装着者がそのキャラクタらしく振る舞うためには高度な技術や十分な修練が必要となる.そこで本研究では,着ぐるみ装着者がそのキャラクタらしく振る舞うための支援を行う着ぐるみ装着者支援システムを提案する.評価実験の結果から,提案システムを用いることでスムーズなコミュニケーションが行えることを確認した.
著者
山崎 陽介 大倉 典子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.109, pp.19-22, 2013-06-18

21世紀に入り,人工物の感性価値の重要性が認識されている.しかし「かわいい」という感性価値についての研究はあまり多くない.そこで我々は,人工物の物理的属性について「かわいい」という感性価値の研究として、これまでにかわいい形や色、大きさ、質感などについて実験を行ってきた。本稿では再度大きさに着目し、拡張現実と仮想現実を用いた表示による「かわいい」大きさの評価の違いを調べる実験を行ったので、それについて報告する。
著者
小川 剛史 白井 博章 柳沢 豊 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.96, no.390, pp.55-62, 1996-11-22
被引用文献数
5

近年, 計算機上に仮想空間を構築する技術を用いることで, リアリティの高いヒューマンコミュニケーションを実現しようとする研究が盛んに行なわれている. このような中で, 筆者らの研究グループにおいては, 計算機上に構築した仮想空間を現実空間と一対一に対応付け, 計算機のユーザが仮想空間内で行動することで, そのユーザがあたかも現実空間内で行動しているかのように感じさせることのできる, 「透明人間」と呼ぶ環境を提案している. 本稿では, この「透明人間」環境を実現するためのシステムの設計について述べる. この「透明人間」環境においては, 机上の計算機内に表示される仮想空間内で行動するユーザと, 移動可能な携帯型端末をもつユーザが, それらの端末を通して柔軟にコミュニケーションをとることが可能となる.
著者
凍田 和美 宇津宮 孝一 西野 浩明 善岡 賢二 倉岡 大輔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.96, no.390, pp.41-46, 1996-11-22
参考文献数
7
被引用文献数
5

我々は, 電子グローブに, 人が手を使って3次元空間に表現する, ジェスチャ, 位置指示, 大きさ表現の3つの動作に基づいた基本機能を用意した。この基本機能を用いて実現した仮想造形環境は, 簡略化した形状の物体を, 手で直接作成するより, 繁雑で, 多くの労力と時間を必要とする仮想空間の作成を容易にする。本稿では, 両手電子グローブの3つの基本機能とそれを用いた仮想造形システムの概要, 仮想打上げ花火システムへの適用, および, 本インタフェースの検討を述べる。
著者
中村 友宣 小川 剛史 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.554, pp.49-54, 2008-03-15
被引用文献数
4

本稿では,移動中の連続した学習を支援するウェアラブル学習システムにおける鉄道車内混雑度推定を用いた利用者コンテキストの認識手法にっいて述べる.本研究では,利用者の動作(「座位」,「立位」,「歩く」,「走る」,「自転車」),立位時の場所(「電車の中」,「駅のホーム」,「遮断機・信号機の前」),及び電車内の混雑度(「空いている」,「混んでいる」)を認識するために,両足大腿部の加速度,天井までの距離及び大気中の二酸化炭素濃度を計測する.前処理として加速度データのパワースペクトル及び距離データの中央値を算出後,識別器としてサポートベクターマシンを用いて各動作・場所・混雑度の確率を推定する.更に次状態への遷移確率に遷移の平易度を考慮してロバストな認識を実現する.実験にて通学行程全体の認識率を85.8%の精度で認識できており,「回答できない設問が出題される」という学習に支障をきたす誤認識は0.6%と極めて低いことを確認した.
著者
吉田 愛 伊藤 雄一 尾崎 麻耶 菊川 哲也 深澤 遼 藤田 和之 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.75, pp.65-68, 2009-06-01
被引用文献数
1

雨は時間や場所に依存してさまざまな様相を呈し,独特の印象を人に与える.そこで,雨を情報として他者と共有することができれば,今までにはない情報共有の手法となると考えられる.本研究では,雨と人をつなぐインタフェースである傘に注目し,雨を再現して体験できる装置の実現を目指す.具体的には,ダイナミック・スピーカの構造を利用して,実際の雨が傘に当たることで傘軸に発生する振動を記録,再生できるシステム「アソブレラ」を実現する.また,アソブレラを用い,雨だけでなくビー玉や蛇など様々な物を傘で受け止める感覚を体験できるアプリケーションや,雨をリアルタイムに伝達し合うアプリケーションを実装する.
著者
豊田 由起 藤江 夕佳 小井土 祐三 平原 由規 田野 俊一 岩田 満 橋山 智訓
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.683, pp.49-54, 2006-03-15
参考文献数
13

本研究では、子供が現実世界でぬいぐるみやおもちやなどの実世界素材を対象に、あたかも自分自身が魔法使いになったかのように、その変化を身振りでグラフィカルなif-thenルールとして作成し、論理的な考え方、ルールに基づく推論、プログラミングの考え方などを、複数人で楽しく遊びながら体得することができるプログラム環境を提案する。デスクトップタイプからルームタイプへと拡張したことにより、カメラ・プロジェクタを複数用いたため、それらの器材の制御、マッチングの精度向上、複数人で床で遊べる新たなUI設計を行った。
著者
本村 健太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.162, pp.25-30, 2005-06-24
被引用文献数
1

VJ(ヴィジュアル・ジョッキー)は, (ダンス)クラブにおいて映像演出を行っているが, その表現は, インタラクティブであり, 即興演奏的でもある.VJは, その創造的空間と関係性を保ち, DJによって生成される音楽に身体を通して反応する.これは造形要素の観点からみると, 「光」, 「運動」, 「音(音楽)」, 「インタラクティビティ」, そして付加的に「リアルタイム」によって構成される表現である.そしてこの新しい表現の潮流, すなわちVJムーブメントは, メディアアートの領域において捉えることも可能なところまで射程を伸ばしてきている.ここでは, その可能性の一つとして, この自己表現と自然シミュレーションの融合をパラメトリック・インタラクティブ・ツールの開発提案によって示していく.
著者
森岡 俊介 上田 博唯
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.457, pp.37-41, 2011-02-28

カメラとプロジェクタをキッチンカウンタの上方に設置し、カメラにより得た、その食材の大きさや位置や傾きなどの情報を使って食材に対してプロジェクタから必要な情報を重畳表示するような新しい調理支援システムを提案する。本研究ではこのようなカメラとプロジェクタを使ったシステムではどのような調理支援システムを実現することができるかについて述べ、試作例を示して、その有効性を検証する。
著者
杉田 馨 中洲 俊信 山内 康晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.466, pp.41-44, 2010-03-05

博物館や美術館などミュージアムの展示支援を目的とした実空間拡張型展示ガイドシステムを提案する.展示室に設置された展示物を起点とし,鑑賞者の興味に応じて対話的に解説を提示することや,展示室の空間的な制約に縛られずその場でさまざまな関連情報を提示することで,鑑賞者に新たな発見を促すことが本システムの狙いである.本システムはタッチパネル付ディスプレイと筐体背面にビデオカメラを備え,ビデオカメラで撮影した展示室の実景をディスプレイに表示するとともに,鑑賞者の操作に応じて実景内に含まれる展示物に関連するミュージアムの収蔵品や解説情報を実景映像に重畳して表示する.展示システムの設置位置から展示室のほぼ全ての方向の展示物をガイド対象とできるように,鉛直軸を中心に手動で筐体の向きを変更できる.本システムは東芝科学館の歴史的な家電製品を展示している展示室に試験的に設置した.
著者
小吹 健太郎 守屋 宣孝 上田 博唯
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.35, pp.21-26, 2010-05-07
被引用文献数
4

本稿では対話ロボットの目を逸らす仕草が、対話者に与える印象についての実験結果について述べる。本研究の目的は、人が対話ロボットに感じる不安感をなくす事である。実験は目を逸らす方向と目を逸らす時間の2種類のパラメータを選び、それぞれを変化させて印象評価を行った。その方法と結果を示す。不安感を最も低減できるのは下に0.2秒目を逸らす場合であるという結果となることなどが明らかとなった。
著者
青木 孝文 長谷川 晶一 佐藤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.490, pp.53-56, 2009-03-17

本研究の目的は,プロジェクタによって投影された映像に対しハプティックインタラクションを可能にすることである.操作中の疲労感の低減や複数人の複数指での操作を考えると,両手のすべての指先にも装着可能な小型軽量な非接地型ハプティックインタフェースが必要となる.そこで本論文では,構造化光受光型位置センサと小型振動子も用いた指先装着型インタフェースを提案する.本手法の特徴として,力覚提示装置自体が即座に位置情報を取得できることが挙げられる.そのため,力覚提示の際に問題となる遅延の影響が少ない.また,高速な位置計測が可能なことからめり込み・すり抜けといった不具合を回避することが可能である.
著者
岸 遼 筧 康明 苗村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.490, pp.15-18, 2009-03-17
被引用文献数
1

点滅パターンをもった1次元光点列を高速移動させることによって残像を生成し,2次元情報の提示を行うことができることは一般的に知られている.しかし,この方法では,光点列の移動速度と点滅パターンの同期をとることが必要不可欠であった.本稿では,このような移動速度と点滅パターンの同期を必要とせず,ユーザーがより自由な操作を行うことができる残像ディスプレイの提案を行う.具体的には可視光通信プロジェクタを用いて空間内に情報を高密度に充填し,その情報を光点列の移動過程でリアルタイムに取得,出力することによって残像を生成するシステムのプロトタイプを製作した.
著者
生井 みづき 瓜生 大輔 徳久 悟 柏樹 良 稲見 昌彦 奥出 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.281, pp.41-46, 2009-11-05
被引用文献数
3

"panavi"は、適切な温度調節と動作の誘導により、ユーザの料理スキルの習得を支援するシステムである。本システムは、センサ・アクチュエータ・無線通信機能を内蔵するフライパンと、オリジナルフォーマットのレシピ、ナビゲーションディスプレイを有するコンピュータの3つから構成されている。本システムは他の調理道具と同様に家庭のキッチンで使用可能であるため、毎日の食事作りの際に繰り返して使用することで、プロの料理人が身体能力として身につけている能力を、素人が獲得することの支援が可能である。本論文では、panaviのシステムの仕組みと、ユーザが経験するインタラクションについて述べる。
著者
山肩 洋子 正司 哲朗 角所 考 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.433, pp.55-60, 2005-11-17
参考文献数
5
被引用文献数
5

調理者の調理を知的に支援するスマートキッチンの研究を通じて, 調理観測機能や音声対話機能を持つキッチンシステムを構築した.本稿ではこのキッチンシステムを用いて, 一般の調理者が自分の考案したレシピのマルチメディアコンテンツを作成するというタスクにおいて, (i)カメラやマイクにより調理者の調理行動を認識し, レシピに基づき調理進行を把握し, (ii)アシスタントエージェントが調理者と音声対話することにより言語的な情報を追加して, (iii)レシピに対し冗長な映像部分を削除編集して, 視聴者に分かりやすいマルチメディアコンテンツを自動生成するための枠組みと, 作成したコンテンツに対する考察について述べる.
著者
宮里 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.98, no.12, pp.1-8, 1998-04-22
参考文献数
28
被引用文献数
1

HMD(Head Mounted Display)は装着者に対して、コンピュータが作り出した仮想空間にあたかも実際にいるような臨場感を与えることができる.しかしながら, HMD装着者は両眼をディスプレイで覆われるため表情の把握が妨げられるという問題が起こる.本報告では, HMDディスプレイの外側, すなわち, HMDは装着者の対面相手側の面にHMD装着者の眼を表示するEye-through HMDを提案する.Eye-through HMDは, HMDを付けていても相手に眼の動きを見せることが可能となるので対話が妨げられない.という特徴をもっている.また、応用の一つとしてのPoppet Eyesついて述べる.
著者
井原 雅行 小林 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.158, pp.41-46, 2006-07-07

筆者らは,多人数から特定個人に向けてのコミュニケーション(N-to-1コミュニケーション)をサポートするタンジブルメディアの一例として「寄せ書き」に着目し,タブレットコンピュータを用いた電子寄せ書きツールを開発している.N-to-1コミュニケーションでは,遠慮等の書き手同士の社会心理がメッセージに影響する.本稿では,電子寄せ書きツール評価実験における被験者の事前主観評価と事後主観評価の比較から,N-to-1コミュニケーションツールのデザイン要件と,電子メディアを用いたN-to-1コミュニケーションの可能性を分析する.描かれる文字の大きさ,メッセージ領域の大きさ,位置の観点から,書き手同士のコミュニケーション心理を分析する.
著者
石橋 拓也 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.25, pp.59-64, 2012-05-07
参考文献数
4

混雑中の公共交通機関において,立ち続けることは疲労と退屈さを感じさせる.しかし,通勤・通学時には時間や路線の制約から常に座席に座ることは難しく,無理に座ろうとするとマナーの問題が発生する.筆者らは以前,積極的に立ち続ける動機を与える手法として,加速度センサを用いてユーザの立ち座りを判別し,立ち続けることに対する報酬として育成ゲーム上のキャラクタを成長させるエンタテインメントシステムを提案・実装した.本稿では,実際の通学環境におけるシステムの有効性評価実験を行った.その結果,座席がほぼ埋まっている程度の混雑時において,ユーザを積極的に立ち続けさせる効果があることがわかった.
著者
山口 徳郎 立澤 茂 野中 雅人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.112, no.106, pp.29-33, 2012-06-19

デジタル広告用ディスプレイをはじめとして,金融店舗や空港ロビーなどの公共空間に複数のディスプレイが配置されている.これら公共ディスプレイと利用者の持つモバイル端末が連携することで,様々なサービスが提供されている.本稿では,モバイル端末の内蔵センサと公共空間に置かれた環境カメラを活用して,利用者のジェスチャ情報の時間的な一致に基づいた公共ディスプレイとモバイル端末とのペアリング方式を提案し,本方式を利用したアプリケーション例について報告する.
著者
三井 健史 伊藤 智也 中西 勇人 濱川 礼
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.73, pp.1-6, 2014-05-30

本論文では,SNSの投稿に含まれた感情を記録するライフログシステム「Emote」について述べる.近年,様々なライフログシステムが流行している.ライフログのために画像情報,音声情報,位置情報,感情情報などを記録している.画像情報,音声情報,位置情報はデバイス機器の発達により自動化が発達した.だが,感情取得の自動化は中々進んでいない.そこでTwitter, Facebookの投稿文の感情を分析し,分析結果を自動的に記録していくライフログシステム「Emote」を開発した.「Emote」ではTwitter, Facebook各投稿から感情分析を行い,各感情を可視化し手軽に利用できるライフログシステムの提供を目的とする.事前にSNS (Twitter)の投稿データ,約3万件を収集し,これらの投稿から自然言語処理とナイーブベイズ分類器を用いて単語ごとの感情を学習させた.「Emote」では,その学習データを用いてTwitter, Facebookに投稿されている各文章の感情を決定している.それらを用いて,各投稿を自動的に6つの感情に当てはめ感情をカレンダーとともに色で表現している.