- 著者
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川原貴裕
松浦 知史
洞井晋一
藤川 和利
砂原 秀樹
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告組込みシステム(EMB)
- 巻号頁・発行日
- vol.2008, no.32(2008-EMB-008), pp.209-214, 2008-03-28
近年,大規模センサデータ共有基盤が構築され運用されている.このような情報基盤では,目的の異なる個人や団体が設置するセンサのデータを収集することで,高密度データの管理・運用が可能となる.このときユーザや開発者がデータ収集・利用を容易に行うためには,共有するデータの形式が統一されている必要がある.そのため,センサゲートウェイには各センサの通信手順やデータ形式といった仕様の差異を隠蔽するためミドルウェアが実装される.ここで現状の問題点として高いミドルウェア開発コストおよび更新コストがある.これらミドルウェアの問題はデータの共有を望む設置者や運用者にとって負担となり,共有するデータ量の増加を妨げる要因となっている.本研究ではXMLで記述したプラグインを読み込むことにより,多様なセンサに対応するミドルウェアを開発した.本ミドルウェアはセンサ毎に異なる仕様を抽象化し,任意の形式のデータを出力する.本ミドルウェアを小型CPUボードArmadillo-210に実装し,有効性を検証した.その結果作業工程から特に高コストなソースコードの記述を削減出来ることを確認した.これにより,大規模センサデータ共有基盤において,データの収集量の増加を妨げていた要因である高いミドルウェア開発コストおよび更新コストを大幅に軽減した.