著者
下村 義弘 夏 亜麗 津田 文香 大賀 久美 横井 麻里 藤村 寛子 藤村 寛子
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-12, 2020

浮腫は疾患本来の内的要因に加え,同じ姿勢を維持するといった日常生活の外的要因によって,より一層,進行する.外的要因のなかでも日常生活で起こる可能性の高い下肢のむくみと入浴行為に注目した.ミストサウナ,全身浴,シャワーの3種の異なる入浴法を比較した.直立位タスクで下肢にむくみを誘発し,その後に入浴を行い,回復期を設けてむくみの改善効果を調べた.測定項目は主観評価とふくらはぎ周囲長であった.その結果,すべての入浴方法は回復期終了時点で,タスクによって誘発されたふくらはぎ周囲長はもとに戻らなかった.しかし,主観的不快感は緩和された.また,ミストサウナでは,出浴後の最大周囲長の有意な減少がみられた.入浴方法によってはおもに血液性のむくみに対して異なる影響を与えることが分かった.つまり回復期を長くすると,入浴法によっては客観的な改善効果が認められる可能性がある.